コラム 5月号

なぜか目が覚めて、眠れなかった夜。
退屈しのぎにテレビをつけたら、「スピリチュアル」なるものを特集していました。
最近かなり流行ってて、とくにエハラとかいうオジサンが有名だそうな。
「霊能者養成講座」や「すぴこん(スピリチュアル・コンベンション)」なんてのもあるのだとか。

その夜中の番組では、「すぴこん」の様子を映していました。
ボクのイメージしている「占い師」や「祈祷師」とはまったく違ってる。
20代・30代の若い女性がいっぱい参加してて、華やかな世界です。
それにしても、ただでさえ摩訶不思議なジャンルなのに、「指導者を養成」したり「合同見本市」をやったりするんですねぇ。
なんか、思いっきり胡散臭いぞ(^^;

ボクは別に、「科学は万能だ」などと途方もないことを信じてるワケではないです。
科学の基になっている論理学では、「自分について語ると、パラドックスに陥る」というのがあります。
簡単なのは、「『私はウソつきです。』という命題は真か偽か」とか。
だから、人間が自分たちの心について考察する場合、「科学で割り切れない部分がある」というのは、説得力があると思います。
「霊」だとか「前世」だとかを、断固として否定するつもりもないです。

しかし一方で、「超常なるもの」を安易に提示するのは避けるべきだ、という信念も持っています。
人間は怠け性を本質的に持っていて、「超常なるもの」に頼った時点で、精神的探求は放棄され、安直な結論に満足するものだからです。

ただ、精神的に不安定な状態のときは、「超常なるもの」にすがりたくなるのも、世の常。
ボク自身を振り返っても、反省させられることが多い。
40歳を過ぎて、健康診断結果がちょっと悪かっただけなのに、医者に脅されてかなり落ち込んで。
不安でたまらなくなって、いろんな健康法や健康食品を試したり、健康管理士なる資格を取ってみたり。
時間やお金をかけて、細かいことなら学んだこともたくさんあると思います。
でもなんだかんだ言っても、結論とするところは、当たり前なものだったような。
要は、「健康を望むなら、健康的な生活をすること」に尽きます。

キミは、成績や受験で不安になったりしていますか?
そういうときは、上のようなことに留意したほうがいいです。
「このテープを枕にセットして眠れば、寝ながら自然と学力がつきます。」
「このCDを毎日10分聞いていると、大脳が活性化されて、自然と頭の回転も2倍速になります。」
「東側の窓にこの紙を貼ると、受験に成功します。」
などなど。
「そんなアホなものに引っかかるヤツなんていないよ」と笑っちゃうようなものに、不安なときは引っかかっちゃうんですねぇ。

困ったときには、裏技や必殺技で一発逆転を狙いたくなっちゃう。
しかし、それは自滅行為に等しい結果しか生まない。
負けそうな沢村が真空飛びヒザを出したって、相手に格好のチャンスを与えちゃうだけ。
相手が落ち目のときこそ、ダメ押しに出す必殺技だから、意味があるんです。

勉強でも健康でも、困ったときほど、基本に立ち還りましょう。

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