コラム 4月号

「うちの子どもたちの良いところ、ってなに?」
夕食のとき、奥さんから聞かれて、答えられなかった(汗)
新学年になって、学校に提出する書類に、そういう欄があるのだとか。
「悪いところ」なら、あれこれ思いつくのに、なんで「良いところ」はすぐに見つからないんでしょう。
親として、なさけない。

べつに、自分の子どもを「悪い」なんて思ってないんですが。
たとえば、学校に出かけるその後ろ姿を見て、「あぁ、いい子たちに育ってくれたなぁ」と感じ入ったりするんです。
思いっきり親バカです、ハイ。
そんな親ですから、トータルで「いい子」だとは断言できちゃう。
けど、「じゃあ、どこが良いところなの?」とあらためて聞かれると、ハタと困ってしまう。

履歴書って、かならず「長所」という欄がありますよね。
仕事の採用面接で、履歴書を出してもらうと、ほぼ100%記入されています。
具体例をあげて、「積極的」「集中力」「協調性」「明るさ」などを、すばらしく強調してあります。
みんなちゃんと、「自分の長所」を分析できてる。
自分をつかんでいて、エライです。
そう、こんなふうに素直に書けばいいんですよね。

でも、いざ自分の子どものことになると、「見方を変えたり場面を変えたりすれば、その長所も短所になるよね」などとややこしく考えてしまう。
「その子の好きなところ、ほめてあげたいところ」と、気軽に考えればいいのかもしれません。

これって、自分自身についても同じです。
「自分の悪いところ」というと---
「あれこれ首を突っ込んで、興味がなくなるとすぐに放り出しちゃう」
「イヤな仕事はいつまでもグズグズとやらない、怠け者」
「お人好しで、騙されやすい」
「おしゃべりのクセに、人前でちゃんと話すのはまったくダメ」
「いい歳して寂しがり屋の甘えん坊さん、そのクセ勝手気ままのマイペース」
「ふと気を許すと、過去の失敗ばかり数えている、マイナス思考」
---いやぁ、困ったヤツだ。

一方で、「良いところ」といわれると、何ひとつすぐには思いつかない。
「自分の長所はこれこれです、と断言したがらない、奥ゆかしいところ」とでもなるんでしょうか(笑)

そんなに深刻になる問題じゃないんでしょうが・・・・・・、自分についても子どもについても、もっと自信を持って「この点はずっと持ち続けてほしいし、そうなってくれてありがたいと思うところ」を言えないものかなぁ。
「自分をだいじに思っている。そして、人を愛したり信頼したりできる気持ちを、ちゃんと持っている。」
そんなところかな。
「長所を語る」というのは、なかなかむずかしいものです。