2010年2月20日
パソコンどーじょー
補助テキスト コンテスト

どーじょー主 講評             

どーじょー主の安田法晃です。

最初に、今回の「補助テキスト・コンテスト」に出品してくださった先生がたに
お礼を申し上げます。
力作を、ありがとうございました!



1.作品の評価

「これまでの補助テキストと、それほど変わらないものが、出品されるだろう」
と予想していたのですが、
予想に反して(失礼(^^; )、おもしろい作品が、たくさんありました。

多かったのが、工作をともなったテキストです。
「立体的な“もの”ができる」
というのは、やっぱりおもしろい。
とくに、「正四面体でカレンダー」という発想には、驚きました。
ピラミッド型や、閉じていない立体など、アレンジできますね。
「工作」というのは、どーじょーの、今後の流れの1つになるでしょう。

ほかにも、
これまでのどーじょーテキストで、ほとんど(まったく?)触れることのなかった
ワードの、フィールドコードについてのテキストがあったり。
この機能については、もっと整理してまとめたものが、欲しくなります。

そんなふうに、「今後の広がり」が期待できる作品も、あります。


さて、評価のポイントですが……
コンテスト形式にしたときに、いつも悩まされる問題です。
学校のテストのように、点数でカンタンに優劣をつけられるものではないし。

この点は、意識して、あまりゴチャゴチャ考えないようにしました。
後述のように、「お祭り」と位置づけ、
みなさんの表現の場とすることこそが、だいじな目的だからです。

とは言っても、「評価の基準」というものも、設けてあります。

・より多くの生徒さんに、利用してもらえそうかどうか。
・オリジナリティの高い作品かどうか。
・作者の、作品表現に対する情熱が、強く伝わってくるかどうか。
・テキストとしての完成度が、高いか。

作者の名前を隠して、これらを5点満点で採点し、
最終的にそれらをもとに総合評価しました。

「こっちの作品のほうが、上なんじゃないの?」
って意見がいーっぱい出てきそうですが (^_^;)
そこは「お祭り」ということで、ボクの独断をお許しください。



2.実施の目的

このコンテストは、「原則として、全員参加」としました。
どーじょーは、ふだんが自由な雰囲気なだけに、なかば強制となれば、
「かなりの反発があるだろうなぁ」
「抗議やボイコットで、コンテストが成立しないかも」
と、心配していました。

結果として、抗議やボイコットはほとんどありませんでしたが、
でも、大半の先生は、
「なんで強制なのよ???」
と、ご不満を感じたことだと思います。

にもかかわらず、いくつかの理由から、
あえて「全員参加」とし、
そして、その理由を事後に話そうと考えました。


「その理由」というのは、ベテランの先生を中心に広がっている「2つの問題」です。
その「2つの問題」とは、悪い意味での、「慣れ」そして「個人主義」です。

どーじょーが開校してから、もうじき13年。
当初は、Windows95が世に出て間もないということもあり、
初心者レベルの先生たちばかり。
今でこそ言えますが、自分のレベルがバレないように(笑)、
必死になって予習し、授業に向かっていました。

そんな先生たちも、もう立派なベテラン・インストラクターです。
毎回の授業内容も、熟知しており、
生徒さんの、テキスト外の突然の質問にも、スムーズにお答えできる。

どーじょー主が、いいかげんなのにもかかわらず、
安定した指導力をもった、ベテランに成長してくれました。
きっと、「どーじょー主の指導など、期待できない」と、
切磋琢磨を、継続してこられたからでしょう。
だからこそ、自分の指導力に、自信やプライドが持てるのだと思います。

しかし一方で、ベテランの先生を中心に、
「だいじな“なにか”が、欠けてきているんじゃないか」
って感じることも。

「なぜボクらは、組織として活動し、授業をしているのか」
その意識が薄れ、ただ流れるように授業をこなしているだけ。
−−−いくつかの事件から、そんな心配を強く感じるようになりました。


「生徒さんの感動を、演出しサポートすること」

それこそが、ボクらの使命です。
そして、それをよりよく実現するために、ボクらは集まっているんです。

ならば当然、
世の中の動きにアンテナを張り、
生徒さんの表現活動に効果的なものはないか、と探り、
積極的に、生徒さんに案内をしていく。

「今日のどーじょー主」ブログも、その意図で記事を書いており、
「情報源として、ぜひ積極的に活用して欲しい」
と、先生がたにお知らせしています。

ですが残念ながら、ちっとも反応しない先生もいたり。
ベテランの先生ほど、そうした知的活動に活発であるはずが、
「これでは、逆ではないか」と、心配になるような事件に出くわしたり。


ある先生だけが、そういう問題を抱えているというなら、
その個人の怠慢が、原因です。
ところが、そういう先生が複数出てくるとしたら、
それは、組織の体制に原因がある。

実際、どーじょーの先生がたは、孤独な仕事をしています。
頻繁に会って、ワイワイガヤガヤと情報交換することもないし、
すばらしい指導をしても、それをダイレクトに発表する場もない。

これまで成長してきたというプライドが、アダになって、
「自分はもう、躍起になって成長する必要はない」となり、
そのクセ、
「自分の指導が評価されるような場は、なるべく避ける」と
保守的になる。
そうなっても、致し方ないといえる環境です。

それを打破するには、どうしたらいいか。
いくつかの対策を考えましたが、
そのひとつが、「補助テキスト・コンテスト」なんです。

自分が、日ごろ必死になって考えていることや、
実際に補助テキストを作って、生徒さんに提案してきたことなどを、
形をまとめて表現する。
その表現が、みんなの目にとまり、みんなが感想を持つ。
そんなことを考えたら、「よしっ、やるぞ!」って盛り上がってきちゃう。
……そういう刺激に、してもらいたい。

「自分のアイデアを、多くの人が使ってくれることを喜ぶ」
「よりよい提案のために、いろんなことを吸収しようとする」
そうした、「どーじょーインストラクター」の原点を、確認する機会にしてもらいたい。


それが、コンテストを実施した、最大の目的です。

賞金を設定したことに、賛否両論があるとも思います。
「賞品にする」ということも考えたのですが、
みなさん「仕事」としてインストラクターをやってくださっているのですし、
「労力に対する対価」としては、とても見合うものでもないとも思いますし。
単純に「励みのひとつにして」という、軽い気持ちでいいんじゃないかと思って
設定しました。

やってみて、「お金目当てでギラギラ」なんて感じじゃないから、
問題なかっただろうと思います。
ま、くり返しになりますが、「ギラギラ」する金額ではないので (;^_^A



以上、いつもどおり、面と向かっても文章でも、
おしゃべりの長いヤツで、すみません。

「全員参加だから、しかたなく」という感じで、
ショボい作品が集まるんじゃないか、って心配しましたが、
力作ぞろいで、うれしかったです。
さすが、「どーじょーインストラクター」です。
今回の緊張感を、ぜひ今後にも活かしてもらいたいと思います。

また、今回ボイコットした先生、
意図を汲んでいただき、次回はぜひ、実力を見せつけちゃってください。