コラム 12月号

長女がとつぜん、「町田高校に進学したい」なんて言い出しました。
おやおや、つい先日まで「進学しないで働く」なんて言ってたのに。
どういう風の吹き回しかと聞いたら・・・・・・、
「通信教育の進学情報ホームページを見つけた。町田高校は、自由な校風なんだって。なんだか楽しそう、行ってみたい!」だって。
「明るく楽しいキャンパスライフ」には、憧れちゃいますよね。

ところが安田家では、「自由」などというと、ボクのおしゃべりスイッチが入る仕組みになっています。
かわいそうに、長女はその後、延々とお説教を聞かされるハメになってしまいました。

ボクも、地元では「自由な校風」で有名な高校に進学しました。
小テストも中間テストもない、制服もない、校歌を歌わされることもない。
授業をサボっても怒られない、やっちゃいけないこと(?)やっても怒られない。
パラダイスみたいでしょ?
でもね、これって実は、すごくむずかしいことなんです。

世の中、「自由」という言葉が大好き。
「自由は善、管理は悪」だと信じているかのようです。
しかし、「自由」というヤツは、ちゃんと扱わないと「放縦」という化け物になっちゃう。
もし、自由を自分の幸福のために生かそうと望むなら、「管理」こそがテーマになってくるんです。

人間は、親や他人の管理から、自己管理できる存在へと成長していきます。
もちろん、いきなりそうはならない。
自己管理ができるように、子ども時代から少しずつ自由を与えられ、少しずつトレーニングを行っているんです。

たとえば、キミには「自由な時間」というのがありますよね。
マンガを読んで爆笑してても、友だちと遊んでてもいい。
そういう時間に、心からやりたいワケでもないことをして、何となくズルズルと過ごして、自己嫌悪に陥ったことはありませんか?
たとえば、キミは「自由に使えるお金」を持っていますよね。
ちょっと遊んだら飽きてしまうようなオモチャに浪費して、自己嫌悪に陥ったりしたことはありませんか?

そのとき感じた「自己嫌悪」は、忘れない方がいいです。
そういう気持ちをよく味わって、そこから何を学ぶか。
どういう問題意識を持つか。
それこそが、自由を生かせるようになるカギとなります。

大きくなるにしたがって、どんどん「自由の波」が押し寄せてくる。
手放しで喜びたくなるけれども、はたしてそうはいかない。
何を買ってもいい。
どこへ遊びに行ってもいい。
夜遊びしたっていい。
最近では、親がいつまでも養ってくれて、働かなくてもいい自由を手にしている人もいる。
そして、そんな自由におぼれて、「自分の人生」に戻れなくなっちゃう人がいます。

キミたちが、どんな人生を目指しているか、それは一人ひとり異なるでしょう。
しかし、何を目指すにしても、「みずから歩き出す人間になる」ことが達成されなければ、自分の人生を生きることにはなりません。
そしてさらに「みずから歩き続ける」ことが必要になります。
さらにさらに、「続ける」には、「管理」ということが必須のテーマになります。
みずからの人生を歩く自由を持ち続けるために、どうしたら自己管理を上手にできるようになるか、考えてみてくださいね。

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