年末からずっと、クロネコヤマトの社長さんだった小倉昌男という人が書いた、「経営学」という本を読もうと思ってて・・・
でも、何だかずっとバタバタしていて、ちっとも進まない。
昨日、ようやく読みました。
スケールがまったく違うから、「雲の上の話」って感じ。
でも、経営者の伝記って、けっこうおもしろいです。
とくに、「全員経営」ということに思い至って、それをどう実現していこうか、と考えるあたり。
「スタッフ全員の情報共有を、どうしたら実現できるか」って、小なりとはいえ、ボクもいつも頭を悩ましてることです。
でも、ボクの場合は・・・
ホントのところは、「悩んでるフリ」であって、「めんどくさがって、実施していない」だけなのかも。
いま、仕事がどんな問題をかかえているか。
それに対して、ボクがどんなことを考えているか。
そうしたことを、スタッフのみなさんと、あるいはさらに生徒さんたちと共有できたら、もっと積極的におもしろいことができるんじゃないかなぁ。
逆に、それができないと、いくら「おもしろい企画」「画期的な作戦」と思っても、独りよがりになっちゃうかも。
パソコンど~じょ~では、スタッフだけならdojo-allというメーリングリストがあるので、それに情報を流すという方法があります。
しかし、「生徒さんも含めて」となると、「ど~じょ~通信」などプリント物に頼ることになっちゃう。
それだと、リアルタイムで情報を流すのは、かなりむずかしい。
しかも、いろんな思いをつらつらと書くわけにもいかないし。
その点、ブログはいいかもしれません。
「こういうことをやるよ」というとき、ブログさえ読めば、だれでも、ボクの問題意識や思考回路を知ることができます。
「どうして、こんなことするんだろう?」
「なぜ、こういうふうにしないんだろう?」
そういう気持ちを持ってくださっている先生は、ど~じょ~にはたくさんいます。
ほとんどの先生がそうじゃないのかな。
生徒さんでも、ど~じょ~のことを思って、いろいろ運営を考えてくださる方がたくさんいるハズです。
これって、すばらしい、ホントに有難いことだと思うんです。
ボクの理想とする教室は、「お祭り」みたいなもの。
経営者や管理者・先生・生徒さん、全員が参画意識を持っている。
「自分たちの祭りだ」って思って、盛り上げていく。
・・・そんな姿をめざしたいと思っています。
そのためには、コミュニケーションが必須。
「なぜ、こういう企画を実施するのか。」
「なぜ、その企画は実施してこなかったのか。」
そうしたコミュニケーションの場として、掲示板やブログを活用できたらいいなぁ。
モノは試し、ということで、「モニター制度」のことを書いてみますね。
去年の11月に、パソコンど~じょ~で「モニター制度」というのを実施したんです。
「画期的」かどうかわからないけど、ボクはとってもおもしろいと思って、他の管理者たちと相談して、「実施しよう」となったんです。
ところが、教室によって、先生によって、反応はバラバラ。
「いい」という人と「悪い」という人に、分かれちゃってる。
まず、「モニター制度って何か」を説明しますね。
体験的に、うちの授業を、1ヶ月(4回)受講していただける方を募集します。
先生には、「入会した方とまったく同じように対応してね。入会の勧誘は、しないでね。」とお願いしておきます。
うちの先生方、情熱を持って仕事してくれているので、いつも「生徒さんを増やそう」と必死に考えてくれています。
経営者として、これほどありがたいことはないです。
が、今回については、モニターの方に「入会勧誘が目的なんだ」と思われてしまうといけないので、「勧誘しないで」とお願いしています。
料金は、無料です。
そして体験してくださった方に、最終回に、受講した感想アンケートを提出してもらいます。
つまり、「1ヶ月まるまる無料、入会勧誘もナシ」という制度です。
「経営が厳しいというのに、なぜそんなもったいないことをするのか?」
「そんなに優遇する制度を実施したら、在籍している生徒さんが不満を持ってしまう。」
モニター制度に反対する先生方の意見です。
たしかに、そのとおり。
でも、それでもあえて実施した理由があります。
お金の話、損益の話を、生徒さんも読むであろうブログに書くのはどうかなぁ、とも思ったのですが・・・
参画意識に損益計算は必須だと思うし、隠すようなことでもないので、書いてしまおう(^^;
現在、パソコンスクール業界というのは、かなり過当競争です。
当然、価格競争が激しくなる。
「1時間1,000円」「月3,000円で習い放題」というようなキャッチフレーズが、前面に出てくるようになる。
まぁ、それ自体は、習おうとする人にとってはいいことですよね。
ボクらも、競争があった方が、「よりいいものを」って必死になって考えられます。
でも、ハンバーガーの価格競争などを見ると・・・
価格やお手軽感ばかりが注目されると、振り回されちゃうお客さんもいっぱい出てくる。
ボクは、ハンバーガーの価格競争に乗っかって、安い方、安い方と流れていたクチです。
結果として、いまでは「ハンバーガーをおいしく味わうことができない人」になってます。
「モスバーガーがおいしい」と言われても、「ハンバーガーのランチに、1,000円も払えるか!」って思っちゃう。
付加価値の高いハンバーガーがあるハズなのに、感情的にそれを認められなくなっちゃってる。
それって、お店側だけじゃなく、ボクの「豊かさ」という点でも、あまり幸福なことじゃないと思うんです。
あの価格競争の中で、モスに通ってた人は、違うのかも。
「ハンバーガーに対するこだわり」を教えてもらって、今でもおいしく食べてるのかもしれません。
パソコンスクールも、「低価格で、質のいいものを」というのなら、大賛成ですが・・・
「「1時間1,000円で好きなときに習える」というから来てみたが、ビデオ見るだけで、飽きちゃう。」
「「月3,000円」というけど、実際にはコース料金が高くて、すぐに次のコース次のコースとせかされる。」
などなど。
経営する側からすると、そのキャッチコピーでやりくりするには、どうしてもそうなってしまう。
「でも、まずは売れるんだから、それでいい」ということなのでしょうが・・・
それで、ホントにいいんだろうか?
こんなふうに「価格」というものばかりをみんなが注目するようになると、「そのスクールのこだわり」は着目されなくなっちゃう。
その結果、「ふ~ん、こんなもんなのね」で通り過ぎちゃうお客さんばっかり、増やしてしまう。
それは、スクール側だけでなく、「パソコンを学ぼう」とする人たちにとっても、あまりいいことではないんじゃないか、と思うんです。
さて、「ど~じょ~のこだわり」って何だろう?
「安い」だけが取り柄だったら、他のスクールと同じように、とにかく安くするために、どんどん経費を削るべき。
でも、それができないのは、なぜなんだろう。
かつてのマックやロッテリアのようになれないのは、なぜなんだろう。
・・・そう考えてみると、ど~じょ~がどういうことを主張していけばいいのか、わかってくるような気がします。
うちのこだわりは、何といっても「輪(和)」。
通信の名前も「ど~じょ~の輪」ですが、これは、生徒さんから募集して決めたものです。
生徒さんにも、そのこだわりが伝わってるんだなぁ、とうれしくなっちゃう。
開校当初から、「クラス制」にこだわってきました。
「好きなときに通いたいから、チケット制にしてくれ」と盛んに言われましたが、そのニーズには断固として応えなかった。
先生と生徒さんが顔なじみになって、お茶を飲んだりしながら、パソコンの悩みとか解決法とか、感動した利用法だとか、いろんなことを話したり。
そうやって「輪」を作っていくには、「好きなときに通う」というスタイルでは不可能だと思うから。
「ワードとエクセルだけ、教えてくれればいい」というニーズにも、断固として応えなかった。
ワードやエクセルだけでも、確かにいろんなことができます。
でも、それでおしまいにするんじゃ、あまりにもったいない。
パソコンの可能性を、ちょいと覗くだけでもしてほしい。
新しい世界を見て感動し、それを仲間に伝えていくこと。
そういうスクールの姿を、めざしています。
ビジネススクールみたいに、みんなが「スキルをみがくこと」だけに勤しんでいるようなのは、イヤなんです。
アットホームな雰囲気で、一人ひとりが自分のペースで学習や作業を進めている。
その別々の内容に、先生が個別に対応する。
でも、他の仲間のやってることも気になって、それに刺激を受けて、新しいことを始める。
そんなふうに、楽しみながらいろんなことにチャレンジしていけること。
その結果として、自分の人生を豊かにする道具として、パソコンを使えるようになること。
それこそ、ど~じょ~がめざしている姿だと思うんです。
そういうスタイルを、今後も淡々と続けていけばいい。
理解してくれる人だけ、参加してくれたら、それでいい。
それで続けられなくなったら、潔く撤退すればいい。
そういう考えもあると思います。
しかし、ボクはそういうのは、「正しい」とは思わない。
これまで閉鎖してきた教室のことを考えると、「正しい」とは思えない。
閉鎖になってしまった教室では、生徒さんにホントに申し訳ないことをしたと思っています。
何とか続けたいと思っていたし、生徒さんからもそうお願いされました。
お友だちに一生懸命、声をかけて入会勧誘してくださったり。
それでも閉鎖せざるを得なかった理由は、何なのか。
何が足りなかったのか・・・。
「自分たちは、何者なのか」
「どうして、自分たちがこの地域に必要なのか」
それを伝える努力は、絶対にすべきだと思う。
それをちゃんと伝えて、その上で「いらないよ」と言われたら、撤退するのがスジだけど・・・
「こだわり」をキチンと伝えないなら、結果としては、「こだわり」がないのと変わらないんじゃないのか。
じゃあ、どうしたらその「こだわり」を伝えることができるだろうか?
そう考えたときに思いついた一つの方法が、「モニター制度」なんです。
だれだったか忘れちゃいましたがf(^^;、「ど~じょ~のこだわりや楽しさは、1回だけの体験じゃ、伝わらない」という話をする人がいて・・・
「じゃあ、何回体験すれば、伝わる可能性が高まるのか?」ってなったんです。
関連NPO法人でやっている「市民のためのITを考える会」というスクールで、開校の不手際から、体験が偶然1ヶ月になっちゃったんです。
会費の金額も決まらないまま、ズルズルと、入会してもしなくてもいいような状態が1ヶ月も(^^;
でも、みなさん入会してくださいました。
「1回目・2回目は「どうしようかな」と思っていたが、楽しいからこのまま続けたい。」
そう言ってくださって。
なるほど、1回・2回じゃダメでも、4回ぐらい続けていると、伝わるものもあるのか!
そんな偶然から、「ならば、1ヶ月のモニター制度をやってみよう」となったワケです。
「1ヶ月といわず、2ヶ月以上でもいいんじゃないの?」ってのもありますが、長ければ長いほど、経営を圧迫しちゃう。
「こだわりのある、楽しいスクール」というのと、「閉鎖にならないように、赤字を防ぐ」というのは、車の両輪みたいなものです。
ど~じょ~のシステムは、もともと「生徒さん40名で採算が取れるように」と作ったものです。
いまや、平均すると30名ぐらい。
そういう状況で「モニター制度」なんかやったら、つぶれちゃうんじゃないか。
そういう心配もありましたが・・・
焦ってもしょうがない。
とにかく、地域の方にど~じょ~がどういうところか知っていただく努力をしなければ始まらない。
地域の方に認知していただくというのは、付け焼刃ではどうしようもないんですね。
このまま何の努力もしなければ、いくら生徒募集しても価格競争の中で、うちは「閉鎖するか、こだわりを捨てるか」の選択を迫られることになるでしょう。
それを避けるには、焦らず、ふだんからの「知っていただく努力」が必要なんだと思います。
この「モニター制度」には、問題点も多いのですが、とても優れたメリットもあります。
それは、「他のスクールがマネしにくい、差別化された広報活動だ」という点です。
価格だけがウリの教室で、この制度は実施しない方がいいです。
体験した人は、「なるほど、こういうものか」で終わっちゃう。
感動も希望も生まないスクールは、無料の4回で「卒業」されちゃいます。
そんなこんなで、年末にモニター制度を実施したワケですが・・・
感触として、「全体としては」とてもいい広報活動ができたと思っています。
しかし、それもこれも、先生方や、在籍している生徒さんの理解や協力があってこそ、です。
うまくコミュニケーションの取れなかった教室・クラスでは、とても「うまくいった」とは言えません。
不満ばかりが噴出してしまった。
叩き台として「モニター制度」を提案して、もっともっとコミュニケーションをとればよかった。。。
ボクは、「モニター制度こそ、最善の広報活動だ」なんて思っていません。
反対の先生方が言うように、大きな問題点もあります。
そして、モニター制度以外にも、いろんなアイデアがあると思います。
たとえば、はあとふる瀬谷で実施した「秋祭り」や、新百合ヶ丘教室で今月から実施するりそな銀行での「作品展」や、古淵での「公民館まつり」など。
#スタッフや生徒さんに、すご~くご苦労をかけてしまいますが_(._.)_
こうした方法に取り組むチャンス、あるいはもっといい方法、もっといい制度はないだろうか?
先生でも生徒さんでも、ど~じょ~と関係のない方でも、アイデアを提案してくれるとうれしいです。
ただの「アイデア募集」は、ほとんど成果はあがらないものですが・・・
問題意識や目的を理解してもらっての衆智は、きっと違うと思います。