コラム 4月号

進級・進学おめでとうございます。

新しい学年の始まりは、いつも不安と期待の入り混じったような気持ちになるんじゃないかな。
どんな1年になるだろう?
いい友だちやいい先生にめぐりあえるだろうか?
勉強やクラブ活動で、成長できるだろうか?

そんな、これからのキミの1年を占う、いちばんいい方法を教えましょう。
それは、「前学年の1年間を振り返っている自分を、振り返ること」です。
「1年間を反省する」んじゃなくて、「反省している自分を見る」「自分自身を観察する「自分」になる」ことです。

前学年の1年間は、どんな年でしたか?
いいクラスでしたか?
勉強の調子はどうでしたか?
スポーツや音楽など、自分の力を発揮できましたか?

毎日、何となく過ごしちゃいますから、意外と思い出せないものですよ。
去年の4月のことから、時間をかけて、ゆっくり思い出してみましょう。
どんなことがあったか、どんなふうに感じたか。。。
よかったこと、楽しかったこともあったでしょうし、イヤだったこと、腹の立ったこともあったでしょう。

ふつうは「悪いところ」に目が行きやすいから、素直に振り返ると、問題点ばっかりが目についちゃうかも。
悪いところを見るのは気持ちいいことじゃない。
イライラするかもしれません。
でも、重要なことなので、どういう問題点があったか、1つ1つ考えてみます。

さて、その問題点について、キミはどんなふうに考えましたか?

人間は、問題点を見つけると、自然と原因に思いを寄せます。
そして、その原因を、人のせいにしたくなるものです。
人間ってズルいもので、いいことは自分のおかげ、悪いことは人のせい、そう思いたくなっちゃう。

「勉強ができなかったのは、先生の教え方が悪いからだ。」
「クラスが楽しくなかったのは、いい友だちがいなかったからだ。」
たしかに、自分以外のところに大きな問題のあることも多い。
でも、それを言い募っていても、自分の心を慰めることはできても、問題は解決しません。
そういう姿勢から抜け出せないかぎり、キミはあんまり成長しないでしょう。

ボクらのこれからの1年は、去年1年の上に築かれる。
ボクらのこれからの1日は、昨日の上に築かれる。

過去の問題点の原因を、他者の中に見出そうとする者は、過去を教訓とすることはできない。
そういう人間は、自分の人生を運命のサイコロに委ねるしかなくなる。
自分の人生を自分で拓きたいなら、過去の問題点を見出し、その原因を自分の中に見るようにすること。

これができたら、キミのこれからの1年は、去年よりもずっとずっと実り豊かなものになるにちがいありません。