コラム 2月号

キッザニアって知ってますか?
「子どもが仕事をして、キッゾというお金を稼いで、そのキッゾで何か買ったりできる」というテーマパークです。
なかなかの人気で、土日などは7月まで予約が入ってるんだとか。
なんだか、おもしろそうですよね。

「子どもが、楽しみながら社会の仕組みを学べる、エデュテイメント」なのだとか。
ふ~ん、ただの「新手のテーマパーク」じゃなくて、教育的意味のあるものなんだ。
ふ~ん、そうなんだ。
こんな大義名分を立てられたら、お母さんたちは堪らんだろうな。
でも、そこまで言うと、なんだかウサン臭いぞ(^^;

「子どもが就業体験することの、教育的意味」って、大きいと思います。
なら、たかだか半日の仮想空間での経験じゃなくって、もっと継続的でリアルなもののほうがおもしろいんじゃないかな。

子どものころ、ボクの周りにはワリと貧しい家庭の子がたくさんいました。
クラスメートには、給食費を払えなかったり、生活保護を受けていたりする子も、ちらほらいたようです。
そのせいか、小学校低学年でも、新聞や牛乳の配達をするのが、そう珍しいことじゃなかった。

子どもって、大人が思っている以上に、能力があるんですね。
子ども扱いするからできないんであって、要求すればできるんです。
だったら、仮想空間でキッゾを稼ぐんじゃなくて、現実に「円」を稼いでもらうってのは、どうでしょう。
自分のお小遣いや、できたら学費も、自分で稼いでもらっちゃう。

といっても、いまの社会で、個々の家庭でやろうとしても、なかなかむずかしい。
雇うほうだって、児童福祉法がなんたらかんたら、となるだろうし。
そこを、うまく工夫して、なんとか実現できないものかなぁ。
たとえば、「NPOが仕事を集めてきて、親との間で業務委託契約をする。そして、親が自分の子どもを雇用する」とか。
仕事内容も、新聞配達やポスティングだけじゃなく、特技も生かせるものを用意する。
マンガが得意な子はイラスト作成、パソコンが得意な子はホームページ管理、という感じ。

子どもって、「あれが欲しい」「これが欲しい」ってうるさい。
というボク自身も、いい大人のクセに、キミたちと大差ないです。
さすがに「モノが欲しい」というのは少ないですが、「こういう環境を作りたい」「こういう仕組みを作りたい」という欲求は、いっぱいあります。
そして、失敗ばっかりです。
あぁ、失敗ばっかり。
でも、そういう欲求を、だれかが簡単に解決してくれちゃったら・・・・・・。
最初は嬉しいかもしれないけど、なんだか物足りないしつまらないんじゃないかな。
「生きている実感」みたいなのが、なくなっちゃうかも。

子どもの欲しがるモノを何でも買い与えて、子どもから「生きている実感」を奪ってはいけません。
モノを与えるんではなくて、自分の力で手に入れる方法を与えるべきです。
魚ではなく、釣竿を与えるべきです!
・・・・・・などと言いつつ、現在の優しい大人たちは、子どもの欲求不満を、すぐに解決してあげたくてしょうがないんです。
先日も、家族に「DVDレコーダーが欲しい」なんて言われて、ついついヤマダ電器に走ろうとしてしまいました(^^ゞ
魚を与えないのは、気概がいります。