コラム 1月号

あけまして、おめでとうございます。
年末年始に、去年1年を振り返ったり、新しい1年の目標を思い描いたりしたんじゃないかな。
ボクも、年始に「今年の抱負」とやらを考えてみました。

いやぁ、去年はひどかった。
なんでこう、失敗ばかりなんだろうと思うくらい、ダメな年だった。
信頼や期待というものに、みごとに見放された1年でした。

中には、天才的なセンスがあって、失敗をうま~く避けていける人もいます。
しかし凡人は、アホみたいに何度も同じようなワナにはまって、失敗と反省をくり返しちゃう。
挑戦する前には、バラ色の像を描いて、手前味噌なビジョンを見てしまう。
そして、失敗してから振り返ると、「あちこちに、ワナが丸見えじゃないか」と後悔したり。

失敗を避けるために、事前の念入りな調査や、冷静な判断が必要だなぁ、ってつくづく思います。
それでも、残念ながら、失敗しなければわからないことも多いもんです。
そして、そうやって気づくことは、「あたり前のこと」だったりするんだけど・・・・・・
凡人には、その「あたり前のこと」にも、経験の裏付けが必要なんでしょう。

このオジサン、何をいつまでもグチってるんでしょうねぇ。
何が言いたいかというと、「受験の季節ですねぇ、受験も同じだよ」ってことでして。
受験なんて、長い人生から見たら、ちっぽけなものだけど・・・・・・
小学生・中学生にとっては、これまでの人生の中で、最大の挑戦。
「失敗したら、どうしよう」「できたら、やらずに済ませたい」って思いますよね。
でも、キミたちの人生にとって、すごくいい経験になるハズです。

4畳半の古アパートで教室をやってたころ、絶対にムリな高校を受験するってきかない子がいました。
Nさんという女の子で、実力はあるんだけど、科目による偏りがひどくて。
ちょっと生意気で素直じゃないから、学校の先生のウケもよくなくて、内申点が悪い。
それなのに、近所の上位校を受けるといってきかない。

学校の先生には、とうぜん反対されます。
でもボクは、Nさんと話してるうちに、無責任にも賛成しちゃったんですね。
「ま、間違いなく落ちるよ。でも、落ちなきゃ納得しないんだろうから、落ちといで」って。
いやぁ、とんでもない教師です。

もちろん、「落ちた後」の話は、ちゃんとしました。
キミは、精神的に強い。
だから、ズルズルと不満を抱えるより、決着をつけちゃったほうがいい。
高校受験に失敗してすべり止めの高校に通って、大学受験に明確な問題意識を持った高校生活を送りなさい。
・・・・・・というような話です。

この時期に、こんな話を書くのはヒンシュクかも知れないけど・・・・・・
よく、「結果ではなく、過程がたいせつ」みたいなことを言いますよね。
「キレイごとだ」と批判する人もいるけど、ボクは、そう信じている。
1回のチャレンジの結果で人生が決まるなら、結果がすべてかもしれない。
でも、先を見たら、過程のほうがもっとだいじだって思う。
「全力を出せるように自己をコントロールしていく」過程や、「失敗の後で学習していく」過程が、その人を作っていくんだと思う。
たんに成功するより、学習する失敗のほうが、ずっと尊い。

失敗と敗北は、ちがいます。
受験生諸君、どうか失敗を恐れず、目標の成就をめざして、全力を尽くしてください。
そして、「納得のできる挑戦」をしてくださいね。