「西の森の冒険」その1

昨日のつづき。
絵本の原稿を、作ってみました。
童話の教材、リクエストがあったので、
ちょっと長いおはなしを、考えてみました。
たぶん、「その4」ぐらいまでいきそう。。。

「西の森の冒険」


「西の森に行ってはいけません」
うさおの村では、そういうきまりになっています。
西の森には、巨大な山犬が住んでいる。
近づけば、どんな生き物も一飲みで食べられてしまうぞ。


時々、西の森がキラリと光ります。
山犬の、大きな牙が光っているんだ。
だれかが山犬に食べられた証拠だ。
そういって、みんな恐れていました。


うさおは、丘の上に登って、西の森を眺めました。
そのとき、森の中がキラリと光ったんです。
その、うつくしいこと。
「あれが、山犬の牙だなんて、思えない。
きれいな宝石かもしれないよ。」


友だちに話すと、みんないやな顔をしました。
「うさおくんと遊んじゃ、だめよ。」
お母さんたちは、子どもにそう教えました。
やがて、うさおには、友だちがいなくなりました。


「ぼく、西の森に行ってみたいんだ。」
そう話すと、お母さんはびっくり。
「山犬だけじゃないわ。
あの森には、大きな大きなヘビがいるのよ。
砂漠もあって、生きて帰ってきたうさぎはいないのよ。」
そういって、怒りました。


「でもぼくは、どうしても見てみたい。
ごめんなさい、お母さん。」
かばんに、お弁当と水筒を入れて、準備オーケー。
うさおは、西に向かって歩き出しました。

つづく