コラム 11月号

会社の人に、「最近は、あまり怒らなくなった」と言われました。
「安田も、歳とってようやく丸くなった」みたいに思われてるのかも。
いやいやどうして、マジメに仕事のことを考えていれば、当然、腹の立つこともたくさんあります。
ときには不安になってイライラすることもあります。
たま~にですが。

同年代の、ちゃんとした社会人をやってる人と比べると、自分の感情をワリとストレートに出しちゃう方です。
でも確かに、以前と比べると、そういう悪い感情を、いつまでも引きずらなくなった。

じつは、それには理由があって・・・・・・、穏やかになったように見えるのは、「コントロール法」を見つけたからなんです。
けっして、「人間が丸くなったから」ではないです(笑)

人間は、生きていれば、いろんな感情が湧き起こってくる。
喜んだり、共感したり、応援したい気持ちになったり。
そういう「プラス感情」ばかりなら、世の中「いい人」ばっかりで平和ですよね。
残念ながら、「マイナス感情」に支配されることも、同じくらいあります。
何かに腹を立てたり、だれかを意味もなく嫌ったり、めんどくさがって逃げようとしたり、なぜか不安でイライラしたり。

ボクは社会人としての修養が足りないんでしょう、毎日のようにこういう感情を持ってしまう。
そして以前は、そういう自分がイヤでイヤで、自己嫌悪に陥っていました。
すぐに人様のことを悪く思ったり。
まだ親元にいたころ、会社の人の悪口を言う姿を見て、母親はよく「人を呪わば穴二つ」と諭してくれました。
「人を悪くいう人間は、結局のところ、自分自身をおとしめているのだ」という意味です。
そうは思っても、でも、腹が立ってしょうがない。

10年ぐらい前だったかな、心理学の本を読み直していて、「なるほど」と思う発見をしました。
「人間はだれでも、自分で認めたくないような醜い自分を持っている。それを意識から追い出そうとすると、「心のしこり」となる。その存在を認め、意識している自分と同じように愛してあげれば、しこりは解消する。」
という話だったような。

なるほど、この説にしたがえば、「マイナス感情」を否定しない方がいいということになる。
「悪いヤツだ」と否定せず、その存在を認めてあげよう。
・・・・・・そう思ったら、以前のようには「マイナス感情」に支配されることはなくなりました。

そして最近、さらに一歩進めて、「そういう感情こそ、自分の成長のチャンスにすることはできないか」と考えてみたんです。

毎朝、トイレで「マイナス感情こそ、成長へのチャンス」とアファメーションを行うんです。
ハハハ、あやしすぎるなぁ。
でも、だれも見てないから、やっちゃう。
そして、昨日、自分にどんなマイナス感情が湧き起こったか、よーく思い出す。
宝を探すように、よーく思い出す。

マイナス感情というのは、たいていの場合、自分の側の弱さや醜さが原因なんです。
それを認めたくないから、相手を非難したり何かに当たったりするワケで。
でも、自分の弱点を、見て見ぬフリしてたら、一生その弱点を引きずることになる。
克服できなくたってダメ元なんだから、損することなんてない。
とにかく、まな板の上にあげちゃう。

なんだか、ゴミに似てますね。
人間は仏様じゃないんだから、マイナス感情にさいなまれるのが当たり前。
それを闇雲に燃やしちゃったら、ただのゴミ。
リサイクルする方法を見つけたら、有効な資源として生きてくる。
「マイナス感情のリサイクル」---自分や人を責めてばかりいる人は、ぜひお試しを。