儲けを生み出す表現力の魔法

儲けを生み出す表現力の魔法
平野秀典著


書名はえげつないけど、書いてある内容はそれとは逆です。

ふつう、マーケティングというと「戦略」「戦術」というように、戦争用語が頻繁に出てきますが・・・
お客さんは敵じゃないんだから、おかしい。
営業系の仕事で、「客を落とす」なんて言い方をするけど、そんなのは最低。
お客さんにオンリーワンとして選んでもらうには、舞台のように「感動」を作り、伝えること。
その「どうやって伝えるのか」という点を考えるのが、マーケティングではないのか。
・・・というのが著者の主張です。

演劇関係の仕事をしてきた人らしい発想で、そのとおりだなぁと思います。
うちの会社の会議でも、「どうやってドラマを演出していくか」なんてことがテーマになったり。
毎日の生活の中に感動を見つける、そのお手伝いをすることが、「仕事」のたいせつな要素なんじゃないかな。


著者は、マーケティングを戦争用語ではなく、舞台用語で考えることを提唱しています。
たとえば、「戦略→脚本」とか。
お客さんを「恋人」ととらえ、「恋人とのデートをどう成功させるか」という姿勢で考えるべきとか。
そして、「ドラマチック・マーケティング」なる新しい概念を提案。
ただ、概念のままで、理論的な構成は不完全なため、「感情論」っぽい印象があります。


事例が多く載っているので、「マーケティングの本」って感じじゃない。
「仕事上のいろんな悪戦苦闘の経験談」として、楽しく読めます。
また段落構成なども、メルマガっぽいので、スラスラ読めます。


↓著者ホームページ
http://kandou-gift.com/