お正月と、不景気と

正月になると、毎年、
「一休さんの、一場面」を思い出します。
「すき、すき、すき、すき、すきっすき、愛してる♪」
という主題歌の、アニメ。
子どものころのことで、どんな話の流れだったかは
忘れちゃってるのですが、

お正月で、みんながお祝いしている。
一休さんは笠をかぶって、「お気を付けめされ~」と叫びながら、
杖をついて町中を歩いている。
その杖の頭のところには、シャレコウベがついていて、
町の人たちは、「正月早々、なんて縁起の悪い」と怒り、
一休さんに石を投げる。

というような場面です。
いやぁ、一休さん、ムチャしすぎですわ。

でもなぜか、妙に心に響いて。
そのせいかどうか、お正月にみんなとお祝いしていると、
とっても不安な気分になるんです。

いつもより、熱心に仕事したくなっちゃう。
「怠け者の節句働き」と、よく父親に笑われてきました。
今年も、ふだんより仕事に集中してたし。
自分では、この妙な現象を「一休の呪縛」と呼んでます。

同じ心理かどうか、わかりませんが……
新聞やテレビで、不景気のことを大きく取り上げていますね。
「年末年始、住むところもなくなっちゃった人たち」の話とか。

そういう話を聞くと、なぜか、気合が入ってきちゃう。
あ、もちろん、喜んでるんじゃないです。
この寒いのに、住むところを追い出されて、大変だろうと。
とっても気の毒に思います。
たぶん、ここまでは、正常です。

そういう気持ちは別として、「不景気」と言われると、
「不況は人を賢くする」という言葉を、思い出しちゃう。
よく知られているフレーズだと思うのですが、
どこで聞いたかは、忘れちゃいました。
でも、この言葉を、すぐに思い出す。

「100年に1度の大不況」とか言われちゃうと、
「100年に1度しかない、学習のチャンス」
そう感じちゃって、
「がんばるぞ!」って、妙な気合いが入っちゃう。
なに、それ???

絶対に、ヘンです。
こんな人間になっちゃったのは、
きっと、一休さんのせいです。