4泊5日漁業体験:まとめ

最後の最後で妙なものが上がってしまって・・・
今日の網の修理は、タイヘン。
全部、陸に上げて、みんなで残業。
たぶん、3時ぐらいまでかかっちゃうんじゃないかな。

親方とボクは、「修了式がある」とかで、漁協へ。
「修了式」といっても、県の職員の方をまじえて、なごやかにお話です。
親方が、にこやかに、漁師への道筋や心構えみたいなことを話してくれました。
無口で気難しい人かと思ってたけど、とってもフレンドリー。
#今日だけ?(^^;

その後、みんなにご挨拶をして、帰宅。
東山さんから、今日獲れたアジをお土産にもらっちゃいました(^^)v
「これで帰ります。どうもみなさん、お世話になりました。」
挨拶してるのに、みんな網のほう向いたまんまヾ(・・;)ォィォィ。
親方の坊ちゃんが、3分の1ぐらい、こっち向いてくれたかな。
カンペキに無視ですわ、ハハハ。

「おー、帰るのか、また来いよ! ガハハハ」とか、「もう、二度と来るなよ、ドッヒャッヒャー」とか・・・
「漁師」っていうと豪快なイメージ、でも実際はまったく逆でしたね。
なんというか、男子中学生みたいにかわいい。
ボクよりも照れ屋さんばっかりです。

ボクは仕事がら、会社同士の取引という場面があります。
誠実な人ももちろんいますが、口ばっかりの調子のいい人もけっこういます。
従業員のみんなには、とっても恵まれていますが・・・
たまに卑劣な人間も入ってきちゃって、エライ目に遭うことも。
そんな生活を20年以上してきたせいか、人間不信というか、「人を見たら詐欺師と思え」みたいな姿勢というか、心のどこかにつねに警戒心がある。
ま、それでも、しょっちゅう騙されちゃうんですね。
いまも、トラブルの真っ最中。
従業員の人に、「ダメですよ、そうやってすぐに信じちゃ」って説教される始末( ;^^)ヘ
自分でも、自分のアホさ加減にあきれてしまいますわ。
ホント、アホです。

今回、いちばん嬉しかったのは、漁師さんに、そういう調子のいい人がいなかったこと。
もちろん、長くつきあえば、いろいろ悪いところも見えてくるだろうけど・・・
なんというか、挨拶しても、何となくモソモソしてる、そんな雰囲気がとっても嬉しかった。




合計10回の、長編になってしまいました(^^;ゞ
最後に、大原のイワシ巻き網漁について、ボクが理解したところをまとめておきます。


仕事内容は、一般に「厳しい」「危険」というイメージがあるけど・・・
今回、いちばんキツかったのは、とにかく左腕が痛かったこと。
それだけで、最初はショックだったけど、仕事そのものは「過酷な重労働」なんてことはまったくありません。
ただ、肉体労働ですから、体の管理はちゃんとしないと。
病気や故障は、収入減や失業につながりかねません。

休日は・・・
複数の船での共同作業のため、ちょっと荒れただけで休漁になるそうです。
雇用条件上は「通常は、日曜日のみ休日」だけど、実際のお休みはもっと多いとか。
漁があっても、午前中で帰ってくることがほとんどだし。
畑仕事やデスクワークなど、ほかの仕事とうまく組み合わせるといいんじゃないかな。


ボクみたいな初心者は、「どれくらいで一人前になれるのか」という心配もあります。
親方は、「だいたい1年ぐらい」って言ってました。
一人で漁をやるとなると、操船から魚探から網の操作から、すべて理解していないといけない。
でも、巻き網は共同作業なので、「やりながら少しずつ覚えればいい」というメリットがあります。
1年かけなくても、気合いを入れれば、「1か月で作業全体を頭に入れる、3か月でそれを体に覚えさせる」ってできそうな気がします。
#あまい?


給料は、「見習い中はナシ」ってところもあるみたいだけど、ここはちゃんともらえます。
最初のうちは給料泥棒になっちゃいますから、早く一人前にならないとね。
具体的な金額は、ゲンジさんからの伝聞だけど、「最低保証が11万で、あとは歩合。だいたい20~25万といったところ」「船員保険など、社会保険は完備」だそうです。

生活費が都会と比べるとかなり安いそうだし、食費もけっこう助かるから、独身なら問題ないかな。
あと、「第二の人生で漁業がやりたいけど、年金だけだと心もとないので、少し収入になれば」なんて人には、とてもいい条件だと思います。
ただ、「奥さんと子どもがいて」なんてなると、これ専業では厳しいかな。
「SOHOで、自宅でも仕事ができる」という人なら、とにかく時間のゆとりはたっぷりありますから、うってつけかも。

周辺の生活環境は、「田舎なのに、社会基盤は充実している」という感じ。
都心から近いし、病院や学校など、問題なさそうです。
保育園なんて、公立に楽勝で入れるそうです(西宮さん談)。



たった4日の漁だけど、ボクはとっても参考になりました。
「漁師」というのをイメージだけであれこれ考えても、子どもっぽい夢想から出ない。
それが、この4日だけで、すごくリアルなものになりました。
こういう機会を与えてくださったことを、とってもありがたく思っています。
千葉県職員の方、大原の後藤漁業部のみなさん、とくに親方の滝口さんには、たいへんお世話になりました。
ありがとうございます。

同じように関心を持っている人は、ただ頭で考えていないで、行動してみるといいと思います。
参考までに、千葉県の漁業研修制度のURLを↓
やる前は不安だけど、怖いことはまったくありませんよ。
http://www.pref.chiba.jp/nourinsui/12suisan/kikaku/kensyu.html


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